三田 誠広

永遠の放課後

永遠の放課後 (集英社文庫) 

著者:三田 誠広

刊行:2006年6月

評点:★★★★★★★☆☆☆ 7点

ストーリー:祖父に育てられた主人公 笹森ヒカルが転向した先で、最初に声を掛けてくれた学級委員の女の子、紗英。彼女と話したことがきっかけで知り合った同級生の男子生徒、春樹は学校の人気者だった。音楽を通して3人は親友になっていく。ヒカルが好きになった紗英は親友春樹の彼女。その思いを永遠に抑え続けるはずだった・・・。やがて、高校、大学と進んだヒカルは、バンドのボーカルにスカウトされる。ヒカルの母、母の再婚相手、失踪した父も、かつて3人組みのバンドとして活動し、お互いの恋愛感情と微妙な関係に悩んでいた。友情なのか恋なのか、最後にヒカルが選んだのは・・・

感想:好きになったのは、親友の彼女。あるいは、友達と同じ相手を好きになるというのは、誰でも一度経験したことがあるのではないか。友情なのか恋なのか。ピュアであればある程、思いが強ければ強いほどどちらも選べず、身動きが取れなくなってしまい、結局思いを告げずに「今の関係のまま」を続けようとする。それはそれで辛いのだけれど。親友が自分よりも輝いて見えるヤツなら、なおさらその思いを口にすることが難しくなる。

この主人公ヒカルのように、ずっと思い続け、ずっとその気持ちを抑え続けるのは簡単じゃない。大体はそのうちに他の人を好きになったりするはずだ。でも多分、ヒカルは紗英意外と付き合っても、その相手を傷付けてしまうことが解っていたのだろう。だから、他人との間に壁を作って、人と付き合ってしまうのだ。裏を返せば、それだけ紗英への思いが強いということ。この物語では春樹が良いヤツだったから、ドロドロとした関係にならずに済んだ。最後にヒカルが選んだものを、大事にしてもらいたい。

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