宮部 みゆき

東京下町殺人暮色

東京下町殺人暮色 (光文社文庫)

著者:宮部 みゆき

刊行:1990年4月

評点:★★★★☆☆☆☆☆☆ 4点

ストーリー:両親の離婚を機に、父親と共に下町に引っ越してきた八木沢順少年。その町では、「若い女性が中に入ったまま二度と出てこない」と噂の家があった。そして、バラバラ殺人事件が発生。順は真相を探ろうとその家に近づき、そして、その家の住人である画家、篠田東吾と知り合う。二人目のバラバラ死体が発見され、事件の謎は深まってゆくなかで、順も知らず知らずのうちに事件にかかわっていくことになる。最後に明らかになる、バラバラにして捨てた本当の意味。そんな犯罪を生み出した世の中、時代とは・・・

感想:宮部みゆきらしく読みやすい作品。ただ、「ミステリー」としてはどうか。殺人の真相の明かされ方が、「有り得ない」ように感じるのは私だけ?

宮部みゆきの作品は、「模倣版」以来だけど、あの作品もミステリーとしてはもう一声って感じだった。歌にラブソングが多いように、小説にもミステリーは多い。それは「作りやすく」「売りやすく」「はずれが少ない」というマーケティング的な要素が働くからかもしれない。書きやすいジャンルだからこそ、ミステリー以外の何か、それは人間の暗部であったり、ヒューマニズムであったり、背負わされた十字架だったりを感じることが出来ないと、深みの無い作品になってしまう。「少年犯罪を作り出しているのは私たちの世代」という言葉と、「老人と少年」、この二つの関係に作者からのメッセージが込められているのかも知れないが、ちょっと弱いかな。

模倣犯1 (新潮文庫)

模倣犯

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