檻の中の少女
著者:大石 圭
刊行:2008年1月
評価:★★★★★☆☆☆☆☆ 5点
ストーリー:僕は諦めた。そして日陰で生きるという現実を受け入れた。僕の33年の人生はその繰り返しだった。そんな孤独な画家である僕のもとへ、ある日、画商が美しい少女をつれてきた。彼女をモデルに絵を描く僕。やがて画商の提案で少女のヌードを描くことになった。少女の裸体の美しさに衝撃を受ける僕。ついに一線を越えてしまった少女と僕。少女との愛に溺れながら夢中で絵を描き続ける僕。少女さえいてくれたら他に何もいらない。少女は僕の全て、全世界だ。でも、少女と僕の関係は、僕が考える以上に背徳なものだった。
感想:たぶんこの感想をブログにアップした途端に色々な「エロワード」につられて沢山のトラックバックが貼られるのでしょうな。「少女」というワードのせいで、普段以上にグロいサイトも多いだろう。削除のことを考えると今から気が重い・・・。そう、一応断っておくと私はロリコンではない。
ロリコンでない私は、正直に言って途中で本作を読むのをやめようかと思いました。小学生の女の子との性的な関係に溺れるなんて、まったく共感できない。しかも「少女」と「僕」の本当の関係は・・・。それが分かってからも少女を抱き続けるなんて有り得ません。最低です。「道徳から外れたことをしている」という「禁断」という名の魅力に人は逆らえないのかもしれませんが、同じ反道徳行為である「不倫」とかとはレベルが違いすぎます。本能で生きている動物でももう少し理性的なのではないでしょうか。もし私に幼い娘がいたなら、あっさり読むのをやめていたと思います。
と思いつつ最後まで読んだのは、最後に少女と僕がどうなるのか気になったからです。この有り得ない関係の二人に対して作者はどんな最後を用意しているのだろう、どんな破滅が待っているのだろうと。破滅を期待していた僕の想像とは異なったエンディングでしたけど。
これ以上ないほどの「神に対する罪」を犯す「僕」ですが、彼にとって少女との関係は「究極の愛」だったのでしょう。諦めた筈の芸術家としての魂が激しく燃え上がる程の。芸術とエロスは紙一重。というかエロスが人間の芸術を発展させる源泉の一つであることは間違いないと思います。美しいものや汚れのないものに惹かれるのは人間として当然です。男でも女でも大人でも子供でもない代わりに全ての要素を併せ持つ汚れを知らない少女は、彼にとって究極の美の対象だったのでしょう。そこまでは理解できます。でもその「美」が性の対象かというと・・・。作者は本作で描かれる愛を「究極の純愛」と捉えているのかもしれませんが、作者自身が作中の少女をして「自分が生み出した可愛い娘」と語る神経は、私にはやはり理解できません。
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