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ぼくは悪党になりたい

ぼくは悪党になりたい 

著者:笹生 陽子

刊行:2004年6月

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ 5点

ストーリー:兎丸エイジは17歳の普通の高校生。父親のいない家庭に育ち、父親の違う弟がいて、仕事でしょっちゅう家を空ける恋多き奔放な母と3人で暮らし、毎日家事全般をこなすという平凡な高校生活を送っている。こんな環境と生活が普通で平凡か疑問を持つ程度に常識もある。そんな母親が長期出張中のある日、弟が高熱を出した。母の友人 杉尾さんに助けを求めたあたりから平凡な僕の毎日は少しずつ崩れていった。母も友達も友達の彼女も、やりたいようにやり生きたいように生きている。僕だけが貧乏くじを引いている。ビバ悪党。ぼくは悪党になりたい。

感想:かなり平凡でない環境に暮らすエイジ君。確かに損な性格をしています。普通の家庭で育てばそうでもないのでしょうが、こんな特殊な面々に囲まれれば、エイジ君のような性格は確実に貧乏くじを引いてしまいます。こんな環境でなくても、誰だって「自分だけが損してる」と感じることはあるでしょう。

私も偶にですがそう感じることがあります。「ありました」って言うほうが正確でしょうか? 周りのヤツラがお構いなしに好き勝手生きてるように思えて、その煽りをこっちが受けてる。なら俺も好き勝手に生きないと損だと思ったことが何度かあります。ちょうどエイジ君と同じように。迷惑掛けられてんだから迷惑掛けて何が悪いって。

いつ頃からでしょうか、あんまりそんなことを感じなくなってしまいました。丸なったということとは少し違う気がしますし、もちろん悪党になりきった訳ではありません。何と言うか、「自分の気に食わないこと以外のこと」にも気付けるようになったってことでしょうか。

確かに他人に不愉快な思いをさせられることは多いです。でもそのことばかりを溜め込むことが無くなりました。良くしてもらえることだってありますし、それなりに皆だって周りに気を使っていることも分かるようになりました。もちろん正真正銘の悪党もいますが、そんな人を見て「俺が損している」と思うよりも「常識ねえなぁ、カッコ悪ィ」と感じるようになりました。まぁ、エイジ君と一緒で「悪党になる才能」が無いってことでしょうね。人間慣れないことや意味のないことで無理しちゃいけません。

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