トワイライト
著者:重松 清
刊行:2002年12月
評価:★★★★★★★☆☆☆ 7点
ストーリー:昔通った小学校がもうすぐ取り壊される。26年前に埋めたタイムカプセルを開けるために、かつてのクラスメート達が集まった。「のび太」と呼ばれた少年。「ジャイアン」と呼ばれた少年。「のび太」が密かに憧れ、漫画とは違って「ジャイアン」と結ばれた「しずかちゃん」。そして仲間達。タイムカプセルの中には、希望に溢れた未来が詰まっていた。でも、夢は夢のまま終って、大人になった彼等は現実を生きていた。
感想:私はタイムカプセルを埋めたことがありませんが、確か小学生の時、隣のクラスが卒業式の日に埋めていました。「成人する年に掘り返す」って言ってた気がしますけど、どうなったのでしょうか?
成人する年、つまり二十歳にタイムカプセルを開けたとしても、まだそこには未来があると思います。子供の頃より可能性のドアは少なくなっているかも知れませんが、まだまだ夢や希望を抱くだけの時間は残されているでしょう。この小説の彼らは微妙な年齢です。もっと年老いてからなら、素直に昔を懐かしめたかも知れません。もっと若ければかつての夢に刺激を受けて目標を見つめ直すかもしれません。でも彼らは「アラフォー」です。やり直すには少し遅く、諦めるには先が長い。
「のび太」も「ジャイアン」も「しずかちゃん」も、そして「しずかちゃん」のライバル(実際の「ドラえもん」では誰になるのでしょうか?)も、現実に疲れています。そろいも揃って後ろ向きですね。そんな時に無邪気な夢に向き合うのって、かなり辛いでしょう。そんな彼等が再会して、それぞれの不幸な思いが弾けてしまいます。そしてそんな彼等を助けたのはやっぱり「ドラえもん」でした。
「アラフォー」には「アラフォー」なりの未来がある筈です。やり直せないけど新しく始めることは出来ます。彼らは懲りずにまたタイムカプセルを埋めました。次に掘り返す時、彼らの未来はもっと少なく、さらにやり直しがきかなくなっている筈です。それでもタイムカプセルを埋める彼等。それぞれ新しく何かを始めようとしているのでしょう。なら、最初のタイムカプセルは残酷なだけじゃなかったってことです。
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